国内ミステリ



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動機
作者名 横山 秀夫
出版社名 文春文庫
評価 ★★★
感想
例の「半落ち」で話題になった横山秀夫の作品集。表題作の「動機」をはじめ,他に3篇入っているのだけれど。

普通,短編って。

→ → → ↓

こぅ,垂直にすとんと落ちて終わるもんだと思うのだけれど。この本の場合,

→ → → ¬

こんなかんじで終わるのよね。記号がないのでちょっと言い表せないのだけれど,矢印の方向は右斜め下を指してるかんじかな。
要するに,ツメが甘いのかも…。
人物描写もまあまあだし,ストーリー展開も飽きることなくサクサク読めるのだけれど,ツメが甘いのよ…。短編としてもっとキレがあってほしかった…。
「アデスタ」がすごく恋しく感じた作品。

記入日時 2004/02/26/14:03:39

弥勒
作者名 篠田節子
出版社名 講談社文庫
評価 ★★★★★
感想
インドとネパールの境にある架空の国・パスキム。特殊な風土と歴史の中で,高度に発達した芸術や文化の観光立国にクーデターが発生する。以前その国に訪れたことのある元学芸員が,貴重な文化財や芸術品が破壊される前に日本へ持ち出そうと単身パスキムへ潜入する…。

描かれているのは,まさに「戦争」。想像を絶する弾圧の中で,人間性が急激に引き剥がされてゆく姿を克明に描かれている。ポル・ポトの時代やナチスのホロコーストもこんな状況だったのだろうか。
そんな極限の状態の中での宗教とはどんな意味を持つのか。そして,主人公の最後の選択…。

いろんなことを考えさせられる本。名作です。

記入日時 2004/02/18/10:33:02

柔らかな頬
作者名 桐野 夏生
出版社名 講談社
評価 ★★★
感想
はっきり言う。この作品,嫌いだ。
ひたすら不愉快な気分になる主人公が,ひたすら不愉快な事件に巻き込まれ,ドツボの結末で終わる。
しかもストーリーも最後はとりとめがなくなってきて何がなにやら。主人公の心情も理解したくないし,失踪した子供の心理も無理があると思う。こんな子供いないと思うから。

自由になりたいですって?

自分勝手に自由になって,周囲に迷惑かけて,家族を離散させて,それが幸せ?
本来の自分に戻りたいと切に願いながら,自分のことしか考えない主人公がただもうひたすら不愉快だった。

記入日時 2004/02/11/23:02:50

OUT
作者名 桐野 夏生
出版社名 講談社文庫
評価 ★★★★
感想
映画化されたりドラマ化されたり,とってもメジャーだったのだけど,ようやく最近読了しました。
友達がだんなを殺しちゃって,ざくざく死体を分解していくところが最高でした。最初は吐き気を抑えながらの作業が,場慣れしてゆくごとに作業しているお風呂場で大爆笑できるくらいに変化してゆく登場人物たちのこころの変遷が面白い。
あれでそのまま逃げ切れたら文句なく★5つなんだけど,最後いきなりああおちるのは納得できなかった(-_-メ)。なぜ突然恋愛小説になる!?どうも私には府に落ちません。

記入日時 2004/01/30/14:35:03

天上の青
作者名 曽野綾子
出版社名 毎日新聞社
評価 ★★★★
感想
ある夏の朝,一人の男と一人の女が出会った…。

なんと,これだけしか本の説明ができないっ!
これ以上説明すると,ネタバレになってしまうような気がするという,すごい本です(笑)。
私も全く予備知識なしで読んだのだが,それが正解だったと思う。そのあと,すごい展開になってきて,読み始めたら止まらなくなった。曽野綾子は前から好きだったのだが,これは文句なく一番好きになった。ストーリー,人物描写,あのラスト。すべて一流。さすがです。
「人生って,どうしてこうも無残なものなんでしょうか」という主人公の言葉が忘れられない。

記入日時 2004/01/30/14:29:33

すべてがFになる
作者名 森博嗣
出版社名 講談社文庫
評価 ★★★★
感想
孤島にそびえたつハイテクの研究所で天才プログラマが殺害された。完全な密室状態で,監視カメラからはだれもその部屋に入った形跡はない。大学助教授犀川と女子大生西之園萌絵コンビが事件を解決する

最初,あまりにも異質な文体と登場人物だったので,「もしや,京極派…」と一瞬ひるんだ。幸いにもその危惧は回避され,慣れるとけっこう楽しめた。密室トリック云々を解明してゆく過程もおもしろいのだけど,個性的な登場人物,そしてなにより作品自体から立ち上ってくる理系の雰囲気がとても新鮮だった。

しかし西之園萌絵,ファッションが派手だといいたいのはわかるのだが,どピンクのタンクトップに片方ピアス,そして紫のアイシャドウか………。なんだかなぁ。なんというかなぁ。うううううむぅ。

記入日時 2004/01/30/14:28:45

死の泉
作者名 皆川博子
出版社名 ハヤカワ・ミステリワールド
評価 ★★★★★
感想
最近読んだミステリーの中ではベスト3には入れたい作品。とにかく面白い。第二次大戦中のドイツが舞台。「アーリア人種をたくさん生んでたくさん増やそう」というスローガンの下に,アーリア人の私生児を育てる施設「レーベンスボルン(生命の泉)」へ一人の女性が入所する。そこの医師に見初められ,結婚したのはいいのだが…。激化する戦火の中,次第に狂気を帯びてくる夫の下で繰り広げられる異常な愛憎劇。錯綜するストーリー展開にもかかわらず,どっぷりハマルこと間違いないです。

記入日時 2004/01/30/14:28:04

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